知られざる科学の裏話

プラスチックごみ リサイクルの不都合な真実〜プラごみの半分は焼却されている〜

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楽天マガジンでたまたま読んだ『COURRiER Japon』の2019年10月号の「世界から見た日本」の記事にプラスチックごみの約半分がサーマルリサイクルという名のもとに焼却されているということが書かれていました。

日本のリサイクルについて全くと言っていいほど知らなかったので調べたことをまとめます。

日本のプラごみリサイクル率の真実

日本ではプラごみなど分別には力を入れていて、リサイクル率は86%と言われています。

しかし、実際は再使用や再生利用と呼ばれる形でのリサイクルは10〜20%程度なのが現実です。

そしてリサイクル率86%のうちの約6割がサーマルリサイクルで処理されています。

プラごみのほとんどが再生利用できない

皆さんもプラスチックの原材料(PP、PEなど)の表記を見ることがあると思います。

これらの原材料は混ざっているとそもそも再生利用できないのだそうです。

再生利用するには分別したプラごみをさらに原材料ごとに分別しないといけないんですが、実際は原材料を見分けることができないものも多いので不可能な話なのです。

このプラごみはどうなるのか

日本では循環型社会形成推進基本法というのが定められています。その優先順位は、

1.発生抑制(リデュース)
2.再使用(リユース)
3.再生利用(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル)
4.熱回収(サーマルリサイクル)
5.適正処分

となっています。つまり、再生利用できないプラごみに残されているのは燃やして熱を回収する埋めるかです。

私たちが分別しているプラごみのほとんどはこの2つのどちらかになっています。

日本では「燃やして熱を回収する」ことをサーマルリサイクルと言って、リサイクルだと言っています。

熱を回収しているからリサイクルだという人もいるかもしれませんが、私はまったくリサイクルだとは思えません。

このサーマルリサイクルによって、火力発電所の化石燃料が節約できているらいしですが、天然ガスに比べたら2倍以上の二酸化炭素を排出しています

これは地球にやさしいのでしょうか。それに、燃やしたら資源のサイクルが終わってしまうわけで、ぜんぜん循環していないですよね。

おわりに

今回、リサイクルについて調べて、考えが変わりました。

今までの自分の思考は「ごみの分別をしているからごみを出していい」という感じになっていましたが、実際は分別しているからといって適切に処理されているわけではないのです

だから、「ごみは分別しつつもできるだけ出さない」ようにしようと思います。

日本のごみの分別は世界でもトップクラスといわれています。

分別に加えて「極力ごみを出さないこと」に力を入れてたら日本のリサイクルって結構すごいんじゃないかな。